イギリス・ロンドンで交通事故! その2 事故後の損害賠償請求編(保険会社・警察・弁護士)

ロンドンで交通事故

イギリス・ロンドンで交通事故! その1 事故直後編(警察・救急搬送・病院)の続きです。

事故後はひたすら辛抱と忍耐の日々です。
ストレスフルですが、なんとか最後までやりきりました。
1年以上かかりましたが…

目次

  1. 事故後、相手側に連絡したか?
  2. 保険会社とのやりとり
  3. 警察とのやりとり
  4. 賠償責任請求手続き
  5. その他

 

事故後、相手側に連絡したか?

事故当日に相手側の連絡先や保険会社等の情報を
警察経由でもらっていました。
でも、そもそも手書きの字が読めない上に、
情報が間違いだらけ (海外あるある)。

手書きが読めない以前に、
一番重要と思われる保険会社の情報間違っていたらしく、
こちらの保険会社から相手の保険会社に連絡しても、
全然返事が来ないと言われる状態が続く…

相手に連絡するか迷ったのですが、
話して変にこじれるのも嫌だったので、
すべて保険会社に任せようと、相手側には一切連絡しませんでした。

約1ヶ月後、教えてもらっていた保険会社とは違う会社から、
「すぐ対応してください」という手紙が家に届き、
「そっちがすぐ対応せぃ!!」と心の中で突っ込みながら、
私達の保険会社へ連絡しました。




 
ちなみに別の方が事故した際には、
おそらくわざと自分の情報を偽っていたようです…
日本ではあまり無さそうな、予想外のことが本当に起こります。

できれば、事故後、少なくとも相手の車のナンバーは
きっちり抑えておくといいかもしれません。
(車のナンバーから所有者情報は検索できるので)

 

保険会社とのやりとり

運転者の夫が、事故翌日、保険会社へ連絡。
必要書類等をもらい、事故の状況や相手の情報を記入して提出。

自分に過失があったか?も聞かれます。
保険会社によると、イギリスでは事故の過失割合は概ね
100%-0%か50%-50%に落ち着くそう。
私達はぶつけられたと確信していたので、過失は無いと記入。

提出後は、相手の保険会社の反応を待っていたのですが、
上記の通り、情報が間違っていたので、手続き進まず。

相手の保険会社からの手紙が来てようやく動き出しました。
(手続きの続きは、下記の賠償責任手続きに続く)




 

警察とのやりとり

事故当日に「近くにCCTV (防犯カメラ) があるから、
写っているといいね」と言われていたのですが、
なかなか連絡なかったので、教えてもらっていた
Eメールアドレスに連絡してみると、
1~2週間後に映像を送ってきてくれました。
この映像も追って保険会社に提出。

ビデオには、明らかにまっすぐに走っていた私達の車に、
右後ろからぶつかってきた相手側の車が写っていたので、
争うことなく過失割合は相手方が100%になりました。

その他、小さなやりとりもすべてEメールですべて対応。
日本は平日昼間に出向かなきゃいけないイメージなので
「なんて便利!」と思いました。




 

賠償責任請求手続き

ビデオのおかげで、過失割合が100%と決まったので、
こちらのやることは残るは賠償責任請求手続きです。

こちらは保険会社が手配した現地の弁護士さん (Solicitor)
を通じて手続きしました。

賠償金は、通常なら

  1. 物損の内容
  2. 怪我や後遺症の具合
  3. その他経済損失

の3つから算出しますが、
それらの査定をすっ飛ばして、
Pre-medical offerというのが
相手の保険会社から提示されました。

「怪我の具合とかはよくわかんないけど、
全部コミコミでこれくらいでどう?」という金額です。
これにオッケーすれば、さっと支払ってもらい終了。

運転手と同乗者の友人はこれでサインしました。




 
私の場合は怪我で手に痛みが残っていたこともあり、
きちんと病院で診断書を書いてもらって、
金額を決めることにしました。

が、これが良かったのか悪かったのか…
金額は確かに4倍近くにはなったものの、
1年以上かかりました。

 

1. 物損の内容

壊れたり汚れたりした物すべての写真の提出や、
値段がわかるレシート等の提出を求められました。

廃棄したもので代わりの物を買ったらそのレシートもです。
もちろん、汚れ・壊れ具合で金額が決まるので、
代わりを買ったからといってすべて補償されるわけではないです。

私の場合は身につけていたものすべて汚れて、
クリーニングに出したり、廃棄したり…

証拠が無ければ請求できないので、
必ず写真を残してください!




 

2. 怪我や後遺症の具合

これは、弁護士から指定された病院へ行き、
診断書を作ってもらいました。

私の場合、指定された病院に行ったところ、
「さらに詳細に手は見てもらう必要があり」と判断され、
別の病院にも行きました。

 
これがめちゃくちゃ時間かかる。
そもそも弁護士が全然動かないので、
催促しまくってようやく病院に予約を入れてもらう。

その予約が数週間後。
診断書が出来上がるまでに1ヶ月以上。
出来上がった診断書を弁護士事務所で確認するのに
また1ヶ月以上。(催促しまくってこれくらい)

「手の病院に見てもらう必要がある」とあったので、
病院予約しますね…とまたもう1回。(うんざり)




 
そんなこんなで行った2回目の手の病院に行っても
先生が手を触って「ガラス入ってるね〜」で終わりで、
レントゲンすら撮らずに終了。
来る必要あったのか…と思いつつ帰宅。

診断中はガラスの破片が出てくるかわからないって言ってたのに、
診断書には「約6ヶ月で出てくると思われる」
と書かれていて「はぁー?!」となりました。

「そもそも、もう事故してから1年近く経っとるわぃ!!
 半年で出てくるはずなかろうがーっ!!」
と思いつつ、まぁもう面倒臭くなってそのままにしました。苦笑
ちなみに、事故の3年近く経った今も、ガラスは出てきていません。




 
愚痴ばかりになってしまいましたが、
事故直後の怪我の写真を撮っておいたので、
診断書を書いてもらうときに、役立ちました。

病院では「どこをどれだけ怪我したか」以外にも

  • 事故の状況
  • 事故後できなかったこと
    (買い物に行けなかった、仕事・家事・趣味ができなかった等)
  • 上記がどれくらい続いたか
  • 誰かに助けを求めたか等

も聞かれました。




 
怪我の具合については、弁護士指定の病院からの診断書以外にも、
事故当日に行った A&E (救急病院) のカルテや、
後日行った病院のカルテ等も弁護士が入手して、
査定に使用していました。

怪我で不安があれば、病院へ行き、
カルテを残すのも重要ですよ。

3. その他経済損失

その他、事故によって必要になったお金は、すべて請求できます。
大きいのは、仕事を休まざるを得なかった場合の休業補償。
小さいものは、例えば、病院の行き帰りの交通費等。

思いつく限りメモして、レシートをきちんと残して置くことが重要です。
タクシーとかももちろん出るので、必ずレシートを!




 
そんなこんなで1年半以上経って、
ようやく私たちの保険会社が妥当な金額を算出。

相手側の保険会社に情報を提出し、相手方から提示された賠償金額が、
ほぼ同じだったので、サインするように言われ、
書類にサインしてお金をもらい終了。
(こっちに来て初めてチェックで入金でした)

 
いろいろ請求した中で、唯一、
日系病院 (プライベート病院) に行った費用はカバーされませんでした。
NHS (公立病院) に行けば無料だからという理由でです。
当時イギリスに来てまもなく、GP (かかりつけ医) 登録をしておらず、
すぐに病院にかかれなかったので、
プライベート病院に行ったと説明してもダメでした。




 

その他

交通事故の原因となった相手方の運転手は、刑事責任を追及されたようで
裁判前に手紙が届き「必要な場合には証言台に立ってもらえますか?」
という意思確認の手紙が運転者の夫に届いていました。

それからは音沙汰がなかったのですが、
また数カ月後に「相手側は罰金刑になりました」
という内容の手紙が届きました。

 
まぁ本当に時間がかかりました。
帰国までの時間が限られている方は、
日本に帰国後では、できないことも出てくるかと思いますので、
弁護士とよく相談した方がいいかもしれません。

それよりも事故らないことが何よりも大切なので、安全運転を。
自分が悪くなくてもぶつけられることもあるので、
万が一の時のために、必ずシートベルトをっ!

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