イギリス・ロンドンで妊娠生活 初病院@GP 妊娠4週

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目次

  1. はじめに
  2. 妊娠検査薬で反応あり!
  3. GPでの診療
  4. 今後について





 
 

はじめに

ロンドンで出産しましたが、
妊娠中にはいろんなことに悩み、
たくさんの方々のブログを読んで参考にしていました。

私自身の体験を書くことによって、
今後、検討される方の参考に少しでもなればと思い、
ロンドンでの妊娠・出産体験記を掲載していきます。

これらの妊娠・出産記事は、2018~2019年の妊娠中に
書き留めておいたものをもとに、書いています。

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妊娠検査薬で反応あり!

日本では生理予定日1週間後から検査可能な
妊娠検査薬が一般的ですが、
イギリスでは生理予定日の5日前から反応が出る検査薬も
販売されています。

5日前から反応が出る検査薬を
生理予定日の3日前に使った際には反応なし。
でも生理予定日3日過ぎても生理が来ず。
「もしや?」と思いもう一度試してみたら、反応がでました。




 

GPでの診療

イギリスでは、病院に行きたいとなった場合には、
どんな場合でもまずGP (General Practitioner, かかりつけ医)に
行きます。

より専門的な治療が必要とGPに判断された場合に、
紹介状を持って専門医にかかります。

イギリスではNHS (National Health Service, 国民保険サービス)
と呼ばれる、病院での医療費は無料です。
妊娠・出産にかかる医療費もすべて無料です。

 
ただし、NHSはサービスレベルが低いと言われており、
お金持ちはプライベートと呼ばれる
私立の病院にかかることもありますが、
超高額で、出産費用だけで数百万円かかります。

私はNHSで産むことにしました。
※詳細は「イギリスのNHS vs プライベート 比較 (作成中)」をご参考ください。

 
それはさておき、妊娠が判明したので、
今回は、GPに行った際のお話です。




 

前置き: 日本での妊娠初期に対する方針

日本で妊娠し、8週くらいで流産したことがあるので、
前置きとして、日本での初回診療についても書こうと思います。

日本では「念には念を入れよ」と精神で、
妊娠検査薬で反応が出たと病院で伝えると、初回の診察で

  1. 病院で尿検査し、妊娠しているか確認
    (省略するも場合もあるようです)
  2. 経膣エコーで胎嚢が確認できるか診る

が一般的です。エコーで胎嚢が確認できて、
ようやく正常妊娠したと判断がくだされ、
心拍が確認できるであろう1~2週間後にまた来てください。
というのが、流れでした。

なかなか胎嚢が確認できない場合は、子宮外妊娠が疑われ、
より詳細な診断を行います。




 

イギリスの妊娠初期に対する方針

イギリスの医療はどちらかと言えば、
「万が一は万が一にしか起こらないから、起きたときに対処しよう」
「対処できないものは、備えても仕方が無いので、備えない」
の精神です。

ということで、

  • 妊娠の約1%くらいに起こると言われる、子宮外妊娠については
    「起きたときにすぐ病院に行けばで対処できるから大丈夫」
  • 12週までの流産は染色体の異常であるものが多く、
    「対処の仕様がないので、それまで元気か確認しない」

と言う考えのようで、妊娠がわかっても、
問題がなければ、原則12週頃までエコーをしません。

 
GPで「妊娠検査薬で反応が出たんだけど…」
と話すと「妊娠してるんだね!おめでとう!」と言われ、
下記の妊娠中の注意事項や、今後の病院について紹介があり、
「次は専門病院で12週くらいから検診始まるよー」
と、それだけでした。
※実際には8週頃に専門病院にてmidwife(助産師)による検診がありました。

GPからの話では、妊娠の場合は紹介状がいらず、
直接、専門病院に予約してくれとのことでした。
(地域によって違うかもしれないので、GPにご確認ください)




 

初回に言われたGPからの注意事項

以下は私のGPの見解で、病院によっては方針が違うこともあります。
様々な情報から総合的に判断して、行動してください。

妊娠中の飲食物の注意点はNHSのサイトをご参考ください。
Foods to avoid in pregnancy (NHSウェブサイト、英語)

  • 旅行は出産2ヶ月前までオッケー!
    「出産予定日2ヶ月前からは飛行機乗らないほうが良い。
    それまでは基本的に、旅行でも何でもしていいよ!」という感じ。

    1週間のクルーズ旅行が妊娠9週くらいにあるんだけど…」
    と話すと「最高じゃん!」との返答で、
    全然行っておいで〜という感じでした。

    日本だと妊娠初期はつわり等で体調が不安定なので、
    安定期に入ってから旅行しましょうという情報で溢れてますが、
    お構いなしな感じでした。苦笑
     

  • タバコ・アルコールNG
    「でもワイン1~2杯くらいなら週1でオッケー」
    らしいです。「え、アルコール良いの?!」と思いましたが、
    NHSのウェブサイトには避けるようにと記載があるので、
    避けたほうがもちろん安全です。
    参考: Drinking alcohol while pregnant (NHSウェブサイト, 英語)
     
  • レバーの食べ過ぎNG
    日本ではあまり聞きませんが、食べ過ぎがNGらしいです。
    日本でうなぎの食べ過ぎNGと同じ理由で、ビタミンAが豊富だからだそうです。
     
  • 低温殺菌されていないチーズやパテはNG
    高級チーズに多い、unpasteurized (低温殺菌)されていない
    チーズやパテはNGだけど、市販のチーズは
    たいてい殺菌されているので大丈夫とのこと。
     
  • でも、お寿司等の生魚はオッケー!
    先生曰く「確かに、可能性はゼロではないんだけどね、
    ものすごく低いからオッケー」というスタンスでした。

    NHS(イギリスの公的の医療機関)のサイトでも、
    エビ等の一部を除いて、
    生で食べてもいいことに一応なっています。
    レストランで提供される生魚は原則、一度冷凍しており、
    アニサキス等の寄生虫はは死滅させる
    処理をしているから、という理由です。
    参考: “Is it safe to eat sushi during pregnancy?” (NHSウェブサイト, 英語)

     
    ちなみに、GPからは話がありませんでしたが、
    赤いライオンマークが付いている生卵も、
    妊娠中でも食べていいことになっています。

    赤いライオンマークはサルモネラ菌のリスクが低い
    生産方法に則り生産している証だからだそうです。
    参考: “Foods to avoid in pregnancy” (NHSウェブサイト, 英語)

     
    イギリスの「万が一は万が一にしか起こらないから備えない」
    の精神が垣間見える方針ですよね。

     
    このような情報もありますが、
    私が出産したUCLHという病院からの説明では、
    生魚や火がきちんと通っていない卵はNGとの説明を受けます。

    お寿司も卵も、可能性はゼロではないので、
    食べる場合は、なるべく新鮮なものを選び、自己責任で!
     

  • ヘトヘトになるまで疲れる運動はNG
    いつもしている軽い運動程度ならオッケーだけど、
    さすがにマラソンとかヘトヘトになるまでは運動しないでね。
    とのことでした。
     
  • 葉酸取ってるよね?
    葉酸(Folic Acid)は必須で、
    妊娠を目指している時から必ず取るように言われます。
    イギリスはサプリメントが大好きな国で、
    種類も豊富なので、薬局で簡単に手に入ります。
     




 

今後について

出産場所選び

最後にGPから聞かれたことは、
「どこで産む?」でした。

「病院で…」と答えつつ、
他にどんな選択肢があるのか困っていたら、
「自宅出産も選べるけど、たいていは病院にすることが多い。
病院ならNHSとプライベートがあるけど、NHSで十分」
というのが私のGPの見解でした。

 
NHSで出産するのであれば、
UCLHとSt. Mary’s Hospitalが近くなので、
このうち1つを選んで直接予約してと言われました。

GPは「選択権はあなたにあります。
 どちらを選んでも結果は変わらない」と前置きした上で、
「設備がいいから、自分の嫁が出産するなら
 UCLHにお願いするかな。
 キャサリン妃がSt. Mary’sのプライベート病棟で出産したから、
 そっちに行きたがる人もいるけど」と言ってました。

※出産場所を決めるまでの意思決定プロセスは、
日本で里帰り出産 vs イギリスで出産、イギリスのNHS vs プライベート 比較 (作成中)
に記載予定です。




 

12週まで何もなし!

何より一番ビックリだったのが、
「次は12週くらいまでは何にも検診無いよ!」ってことでした。
実際にはmidwife(助産師)による検診が8週頃にありました。

12週までの流産は多い。
多いけれども、予防する方法が無い。
それなら、それまで何もせず診ることもしない。という、
「対処できないものは、備えても仕方が無いので、備えない」
医療方針です。

全額税金でまかなわれている医療費の削減には
合理的で良い考え方ですが…
日本の医療サービスレベルを体験し、
12週までの初期流産したことがある者からすると、
やっぱり少し不安はあります。

 
不安を抱える日本人の妊婦さんは、
プライベートの日系病院でお金を支払って
診てもらうことも多いようなので、
心配なら行ってみてもいいかと思います。

※私は、実際に妊娠6週頃に行ってきました

 
もちろん、何か症状が出て心配事があれば、
GPや、Early Pregnancy Unitと呼ばれる
初期妊娠で問題がある場合にかかる病院に
相談することができますので、ご検討ください。

また、大量出血等の緊急の場合は
A&E (Accident & Emergency, 救急)に行くか、
救急車(電話番号: 999)を呼んでください。




 
イギリスはものすごく合理的だけれども、
日本人ママが心理的に割り切れるか…?というのが、
今後、イギリスで妊娠生活をする上で、
必要なメンタリティーなのかもしれません。

NHSのウェブサイトに妊娠中どんなことが起こるのかが、
週ごとに書かれた記事があるので、
参考や医療単語の勉強に見てみてください!
Your pregnancy week by week (NHSウェブサイト, 英語)

次へ: 妊娠がわかったら申請しておきたい妊婦お得情報 in ロンドン 妊娠5週

 
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